全般とても解りやすい講演だった。
新しい治療的な考え方について、障害は個人の内側にあるものではなく社会が作り出している生きづらさ、内なる偏見の克服にあると言う障害学に共感した。
関係と対話が統合失調症の回復の鍵であると言う。
確かに話をしていても幻覚や妄想は消えないだろう。
しかし話す事は回復に繋がる。
そして話す内容よりもたくさん話をすることが大切だという事を理解した。
まず、誰かと会う環境を作り安心できる体験を重ねる事、その為に私が出来る事は何だろうと考えた。
統合失調症の経過は様々だが、それは再発の回数の違いが大きく左右される。
再発を繰り返すと薬が効きにくくなる事は理解していた。
再発予防に必須なのは継続的な服薬だが、薬を飲み続けていても再発は生じうる。
可能ならば心理教育と生活技能訓練を合わせて行うと再発率が少ないとされている。
日本の精神科外来診療は、変化を求めない統合失調症患者の生き方にマッチし、生活の安定化と、そのマンネリ化をもたらしたともいえると学んだ。
医師は病気が悪くなっていない確認をしているにすぎない。
再発していない確認をしているだけである。
病院だけでは統合失調症は治らないという結論だ。