就労移行見学前にチェックすること&通い始めたけれど途中で辞めたい方へ

思い切って見学に行き、実習を得ていざ通い始めたのに「就労移行事業所は意味がない!」といって辞めてしまう方がいます。
では、なぜ辞めてしまうのでしょうか?

この記事は就労移行の見学を検討中の方、または通い始めたが意味がないと思っている方に向けて書いています

また、辞めたいと思った方が就労移行事業所を通い続けるために必要なことがわかります

うみ

息子も就労移行支援事業所に通所しています。

先日、息子がいちばん仲良くしていた仲間が辞めてしまったので、息子も通所のモチベーションが下がったとガッカリしていました。

せっかく通い始めたのに途中で辞めてしまわないためにも心を込めて記事を書いていきます。

就労移行支援事業所ってどんなところ?確認のため簡単に解説!

就労移行支援事業所とは就労を希望する65歳未満の障害のある方に対して、就労に必要な知識や能力の向上のために必要な訓練、就労に関する相談や支援を行うサービスです。

就労移行支援は利用開始から2年以内という期間で就職することを目指していますので、期間は利用がスタートした時点から原則2年と定められています。

また、その後は職場に定着するまで相談を受ける事ができる定着支援があり、6か月の期間が設けられています。

「就労移行事業所は意味がない!」と考える主な理由は次の3点です

  1. 自分の思っていた支援が受けられない就労移行支援事業所だった!
  2. 就労移行支援事業所に通うことで自分がどうなりたいか明確でなく事業所任せになっている!
  3. 就労移行支援事業所の支援員または利用者さんとコミュニケーションがうまくとれない!

1、自分の思っていた支援が受けられない就労移行支援事業所だった

1-①多機能型事業所だから?就労移行支援事業所B型と同じ作業だから?

みなさんは、多機能型事業所をご存じでしょうか?

多機能型支援事業所とは障害者総合支援法に基づく指定生活介護、指定自立訓練機能訓練)、指定自立訓練生活訓練)、指定就労移行支援、指定就労継続支援A型及び就労継続支援B型並び児童福祉法に基づく指定児童発達支援、指定医療型児童発達支援、指定放課後等デイサービス、指定居宅訪問型児童発達支援及び指定保育所等訪問支援の事業のうち、2以上の事業を一体的に行うことをいいます。

多機能型事業所は各地域で多く見られます。

例えば、就労移行支援事業と、就労継続支援B型事業など2つの機能を併せもった事業所などがあります。

就労移行支援と就労継続支援B型の多機能型事業所の場合、「同一事業所内で作業する際には、それぞれの作業場所、作業内容が明確に区分され、混在して作業が行われないこと」という多機能型事業所等を実施する場合の留意事項があります。

しかし、同一事業所内で作業する際に、それぞれの作業場所、作業内容が明確に区分されず、混在して作業が行われている場合があります

この場合、工賃をもらいながら自分のペースで働いている就労継続支援B型の利用者さんと一緒に作業を行うことで、就労移行支援の利用者である自分が具体的な就労に向かって進んでいないような気持ちになる場合があります。


ここでは、就労移行支援員と利用者さんとが常に関りを持ちながら上手に道筋を立てて就労に向けて進んで行ければ問題はありませんが、支援員と利用者さんの気持ちに温度差があり支援員が就職に協力的でないと利用者さんが判断することもあります。

1-②自分が期待していたサポートやプログラムがなかった

通所している就労移行支援事業所が一般就労に向けてどんなサポートをしてくれるのか、どんなプログラムがあるのかを見学の時にしっかりと確認をしていなかったため、期待していた場所ではなかったと辞めてしまう方がいます。

体調がまだ不安定で、健康管理や日常生活のサポートから支援を受けたい方は、ココルポートのように通所開始時は週2日からでもOK、そして利用者さんひとりひとりに適した支援ができるように健康管理や日常生活の管理「体調」「悩み」「希望」等を支援員と相談ながらプログラムに参加できる事業所もあります。


体調はほぼ安定しているが、前職での失敗から自信を失って再就職のためにトレーニングを受けたい方もいます。
ミラトレは一般企業で行われる業務を想定した内容で構成されている疑似就労というトレーニングを受けることができます。

この疑似就労というトレーニングはグループで何かに対して調べて、調査してまとめ、その後プレゼンテーションを行ったりするようです。

ミラトレは利用者さん同士で得意、不得意に配慮した作業分担を決めたり、そのために積極的な意見交換を行うトレーニングもできるようです。

上記のように、通所予定の就労移行支援事業所が得意とするサポートをチェックしてから見学、体験と進むとスムーズです。

2、就労移行支援事業所に通うことで自分がどうなりたいかが明確でなく事業所任せになっている!

自分自身の障害について客観的に理解ができていないため、これから働く上で自分に必要なことが明確にイメージできず、就労移行支援は意味がない!必要がない!と感じてしまう方もいます。

自分は就労移行支援事業所に通うことでどうなりたいかを明確にしておくことが必要です。

例えば・・・

  • 体調がまだ不安定なので健康管理や日常生活のサポートから支援を受けたい
  • 社会復帰の第一歩と考えるコミュニケーションスキルを身につけたい
  • 就職転職活動に苦戦しているから自分の適性を明確にしたい
  • 一般企業への就労メインでサポートしてほしい

自分自身の障害について客観的に理解することは大切です。
病気になる前の自分ではなく、今の自分にとって働くうえで必要になることを支援員の方と話し合ってほしいと思います。

自分の強みと弱みの明確化です。
あなたの自己理解が進み、自分の強みを明確化し少しでも楽に生きてほしいと心から願います。

3、就労移行支援事業所の支援員または利用者さんとコミュニケーションがうまくとれない

就労移行支援事業所の支援員との関係性に問題があることも考えられます。

たとえば、事業所にはさまざまな支援員がいるため自分と相性が合わない支援員が担当になることもあると思います。

また、利用者との交流を通して、就労移行支援事業所の雰囲気が自分には合わない!と感じる方もいると思います。

支援員との関係性は事業所に通うためにとても重要ですね。

合わない支援員との関係性に悩んだらまずは別の支援員に相談することをおすすめします。

では、上記のように感じたときにあなたはどうしますか?

  • 現在の就労移行支援事業所で一般就労に向けて取り組む?
  • 他の就労移行支援事業所を探す?

就労移行事業所を通い続けるために必要なこと│辞めたいと思ったら…

まずは担当の相談支援専門員に悩みを打ち明けてみてください。

自分の相談支援専門員が分からない時は就労移行支援事業所または、役所に問い合わせてみてください。

就労移行支援は利用開始から2年以内という期間で就職することを目指しています。
期間は利用がスタートした時点から原則2年と定められています。

あなたが就労移行支援事業所に通おうと決めた理由について改めて明確にしてみましょう。

可能なら気持ちを切り替えて就職活動に焦点を合わせていきましょう。

応援しています。

思い切って就労移行支援事業所を変えてみる?

うみ

この事業所では希望する就職は難しそう。
就労移行支援事業所なんて意味ないよ!!

このように思ってしまったら思い切って就労移行支援事業所を変えてみてもいいと思います。

あるいは、就労移行支援事業所に通いながら転職エージェントに登録してみることをおススメします。

意味がない!もうダメだ!なんて思わないでくださいね。

(就労移行支援事業所に通いながらエージェントに登録する場合、就労支援員に相談して協力してもらうといいと思いますよ。)

就職エージェントについても調べました。

↓よろしかったらぜひ下記の記事をチェックしてくださいね。

就労移行見学前にチェックすること!最重要点!!

就労移行支援事業所に通うことであなたが得るものは?意識したいこと

  • 障害の理解を深める(同じ障害を持つ方との関わり)
  • 体調のリズムを整える
  • 合同説明会や面接への同行をしてもらう
  • 履歴書など書類の準備を手伝ってもらう
  • あたらしい職場・職種を体験する(実習)
  • 就職活動の計画をたてる
  • 希望にあった職場を探す
  • 就職後の相談や定着支援

就労移行支援事業所を選ぶポイント

  • 自分の障害が対象の事業所か?
  • 通い続けることに無理がない場所か?
  • 事業所の雰囲気が自分に合っているか(支援員や使用者さん)
  • 自分が求めている支援をしてくれる事業所か?(サポートやプログラムの明確化)
  • 就職された方がどんな企業に就職をしたか?働き続けているか?
  • 交通費は負担してくれるか?
  • 昼食の提供はあるのか?

atGPジョブトレの障害種別特化型コースでは統合失調症コース・うつ症状コース・発達障害コース・聴覚障害コース・難病コースがあります。

同じ悩みを持つ仲間と共に就職に向けて前進できます。就職後も自分の体調とうまく付き合いながら「働き続ける」ためのスキルが身につきます。

就労移行事業所を利用する意味を考えよう│まとめ

あなたが就労移行支援事業所を利用したいと考えたのはなぜですか?

家族の勧めがあったから?

あるいは体調がまだ不安定なので健康管理や日常生活のサポートを受けたいと思ったのかもしれませんね。

その後、徐々に体調も安定し社会復帰の第一歩としてコミュニケーションスキルを身につけたい!と事業所に通う意味が変化していったのかもしれません。

通所して1年が過ぎ、少しずつ焦りが出て自分の適性を明確にしたい、自分は就職に向けて何も進んでいないと思っているのかもしれませんね。

就労移行を利用したいと考えたその時を階段を上る前に例えてみました。

頂上をみて「あ~先が長いな、だいじょうぶかな?」とあなたは考えていました。

その後一歩一歩進みながら、事業所内の通所仲間や支援員との関係性を作っていきました。

現在のあなたはどの辺りにいますか?

階段の頂上へは一足飛びでは進めませんね。

いつも自分の現在地を確かめながらゴールを思い描くことが大切ですね。

うみ

わたしはとてもせっかちなので焦ってばかりいます。

このブログも息子と同じ障害を持つ方の役に立ちたいと思い書いていますが、焦るばかりでなかなか進みません。

いつも階段の頂上を見てため息をついている感じです(笑)

この記事は就労移行支援事業所を途中で辞めてしまった息子といちばん仲良くしてくださったお仲間に向けて書いています。

この記事があなたのお役に立てたらうれしく思います。